「花咲さん…!」

「…え?」



急に名前を呼ばれ、驚く。
しかも、男子だったから。
嫌な予感がした。



「あの人、3組の倉持 新だよ」

「倉持 新…?」

「こないだバスケ部の練習見に行ったときイケメンだよねって友達と話題になった人!」

「そうなんだ…」



そういうの音羽は本当に好きだよね。
あたしは全く興味ないけど。



「花咲さん、ちょっといいかな?」

「でも…」



あたしは音羽を見た。
男子とはなるべく話したくない…



「あたしなら全然平気!ここで待ってるから行って来なよ!」

「…うん。ありがとう」



あたしは倉持くんについて行った。
倉持くんはバスケ部のエースらしい。
確かに、背がすごく高くて逞しい。
人も良さそうだ。



屋上にやって来た。
…あたしになんの用があるんだろ。