…あれ?
あたし、いつの間に寝ちゃってた。
目を開けると、横には眠っている天城くんがいた。
…恐怖心がなくなってる。
近くにいても怖くない。
…似た境遇にいる人だからかな。
きっと、天城くんだけだろう。
時計を見ると、既に放課後の時間だった。
「天城くん…起きて」
「…ん」
あたしは天城くんの方を揺すった。
起きたみたい。
「…やべ。俺、寝てた?」
「うん。あたしも寝ちゃってた」
「そっか…」
「よかったの?授業サボっちゃって」
「別に。一回ぐらい出なくたってテストがよければ問題ねぇだろ」
「まぁ、そうだけど…」
天城くんは立ち上がり、身体を伸ばす。
「…体調はもう平気なのか?」
「うん…」
「んじゃ、帰るか」
「あのさ…」
あの話したこと、忘れてるわけじゃないよね…?