あたしは目を開ける。
…あれ?ここは…



「…やっと目覚ましたか」

「…えっ!?な、なんで…」



そこには天城くんがいた。



「お前が突然倒れたんだよ」

「…そうだったんだ」

「覚えてないのか?」

「うん…」



試合中クラクラしたのは覚えてるけど…
その後の記憶がない。

…じゃあ、ここは保健室?




「…授業は?」

「先生に言っといたから心配すんな」

「…そっか」



ここに天城くんがいるってことは…



「…もしかして、あたしを運んでくれたの?」

「あぁ」

「なんで…」

「俺で悪かったな」

「違う…あたしのこと嫌いじゃないの?」



あたしは天城くんに何度もヒドいことを言ってる。
…まぁ、天城くんもヒドいことしてるけどね。
でも、だからあたしのことなんかどうでもいいと思ってたのに…



「…お前、熱あるだろ?」

「え?」

「廊下で会ったときから思ってた」



…もしかして、あたしを呼び止めたのってそのこと!?
…どうしよう、あたし勝手に勘違いしてた。
またバカにされるんだと思ったから…



「ごめん…あたしあの時…」

「もう気にしてねぇよ。…でも」

「でも…?」



すると、天城くんは顔を近づけてきた。
その瞬間、身体がビクッと反応する。
…どうしよう、怖い。