「…でもさぁ、天城くんって一度も告白OKしたことないんでしょー?」

「へぇ」

「…もう、愛衣興味なさすぎ!」



興味ないのは事実。
あたしの本性はこんな感じ。
表ではいい子に装っている。
…そんなこと誰にも言えないけどね。



「あたしは天城くんに告白する勇気ないなぁ」

「え、好きなの?」

「…だって、カッコいいじゃん?完璧じゃん?」

「…そうかな」



天城 柊は完璧な男。
背が高くて、顔が整ってて、頭も良くて、スポーツ万能で、紳士的。
…でも、そんな完璧な人間いるわけない。
絶対に何か裏があるはず…
廊下ですれ違うときはいつも王子様スマイル。
女子たちが挨拶をすれば爽やかに挨拶を返す。
…見ててゾッとする。



「…愛衣って男子の話するとすごく顔色悪くなるね。何かあったの…?」

「何でもないよ」



あたしは親友の音羽でさえも、あの過去のことを明かしていない。
…というより、知っている人は誰もいない。