二階に上がると、部屋が4つあった。
「ここが麻美の部屋だよ」
「ありがとう!私の部屋があるなんて嬉しいわ!」
お母さんは部屋に入って行った。
お母さんは左側の手前の部屋だった。
「愛衣ちゃんはこっちだよ」
「ありがとうございます」
あたしは右側の奥の部屋だった。
「隣は柊の部屋だよ。そして、左側の奥が私の部屋だよ」
「わかりました」
「疲れただろう。ゆっくり休んでくれ」
「はい。ありがとうございます」
あたしはお辞儀をして、部屋に入ろうとした。
「愛衣ちゃん」
「はい」
「お母さんとは結婚しているが、愛衣ちゃんにとって私はまだただのおじさんに過ぎないと思う」
「そんなこと…」
「だから今はおじさんでも、直哉さんでもいい。敬語でもいい。私のことを認めてくれるまで待ってるから」
「…ありがとうございます」
心にジーンときた。
その言葉がすごく嬉しかった。
「あ、あの…直哉さんって呼んでもいいですか?」
「もちろんだよ!ありがとう!」
直哉さんは笑顔だった。
あたしも自然と笑顔になった。
そして、緊張感も少し解れた。
あたしは部屋に入り、荷物を整理する。
…直哉さんはいい人そうでよかった。
お母さんのことも安心できそう。
あたしはベッドに横になった。
そして、気づいたら眠ってしまっていた。