「すまない!女性を待たせてしまった…」

「いいんですよ!お座りになってください!」



入ってきたのはダンディーな男の人。
深くお辞儀をして謝ってきた。
…礼儀正しい人だな。



「ありがとう。…おい、お前も挨拶しなさい!」

「…初めまして。息子の柊です」



…え?
…嘘でしょ?



「…天城くん?」

「…え、花咲!?」



入ってきたのは…
なんと、天城くんだった。
こんなことってあるの…!?
それに、どうしてあたしの名前を知ってるの…?



「あら。二人は知り合いなの?」

「隣のクラスだから…」

「そうだったのか!すごい偶然だな!」

「マジかよ…」



それからみんなで食事をした。
そして、天城くんのお父さんにもご挨拶をした。



「そうか。愛衣ちゃんはお母さん思いなんだね」

「いえ…」

「柊も見習って欲しいもんだな!」

「悪かったな」

「…二人は兄妹になるわけだが、大丈夫か?」

「…名字とかはどうするんですか?」

「学校とかあるからな。今は別々でやっていこうと思っている」

「そうですか…」



それを聞いて安心した。
あたしが突然天城 愛衣になったらみんなどうするんだろ…
考えただけで身体が震える。




「でも、家は一緒に住みたいと思っている。もちろん、きちんと表札には二つの名字を入れるつもりだ」

「えっ!?一緒に…!?」



一緒に住むの…!?
それって、天城くんも一緒ってこと…!?