そして翌日。
学校が終わってから待ち合わせの店へ向かう。
音羽にはこのことはまだ言ってない。
…言わないかもしれない。
「愛衣…!」
「早かったね」
あたしが着いた頃にはお母さんは既に待っていた。
「今日は会社休みだから。…先に中で待ってよっか」
「うん」
予約をしていたお店は和食屋さんだった。
小綺麗で少し高そうだった。
中は全て個室で、下は畳だった。
「素敵なお店だね」
「でしょ?彼が教えてくれたの」
「へぇー」
なんだか嬉しそう。
その人とだったら上手くやっていけそうかな…?
少しすると、奥から声が聞こえた。
男性の声だった。
…来たかな。
なんだか緊張する…