*高2の春*



「ねぇねぇ、天城くんってカッコいいよねー!」

「天城くん…?」

「隣のクラスの天城 柊くんだよ!」

「あぁ、知ってるよ」

「愛衣はどんな人がタイプなのー?」

「あたしは…特にないよ」



あたしは、そもそも男が苦手。
過去に色々とあって、それからずっと男に拒絶反応を起こすようになった。



「…あ、また告白されてる」



親友の音羽に言われて、廊下の隅に目をやる。
女の子が天城くんに告白していた。
…あたしは男の中でもあぁいうタイプの男は一番嫌い。
なんていうか、自分カッコいいとか思ってる。
いわゆるナルシスト。
でも、天城くんは自慢したり、カッコつけたりしない。
…それでもあたしには分かる。



とにかく関わりたくない。