「天城くんって彼女とかいないの?」

「いない」

「じゃあ、好きな人は?」

「いない」

「今までにはいたでしょ?」

「知ってどうすんだよ」

「参考にする!」



…なんだよ、参考って。
お前が何しようが俺は絶対お前を好きにならない。



「…ここじゃあれだし、2人で抜け出さない?」



…なんでお前と。

すると、他の女子たちが俺の側に座ってきた。



「絢ばっかりズルい〜!あたしも天城くんと話したい〜!」

「何話してたのー?」



…くそ、面倒くせぇ。



「ダメだよー!天城くんは今あたしと喋ってるの〜!」



女は俺の腕を掴んできた。
…勝手に触んなよ。
俺はもう我慢の限界だった。
…好き勝手にやりやがって。



「ごめん!用事思い出したから帰るね!」

「えっ!?ちょっと、天城くん!?」



俺は立ち上がり、部屋を出た。
…はぁ、やっぱ無理だな。



「…おい、柊!」



すると、竜貴が俺を追いかけてきた。



「少しの約束だろ」

「あぁ、そうだな」

「それと、こういうことなら二度と俺を誘うな」



俺はそう言って帰った。
…はぁ、疲れた。
もうこんな面倒なことは御免だ。