「お待たせー!」

「もぅ、遅いよ男子〜!」



カラオケボックスに入ると、そこには5人の女子たちが座って待っていたのだ。
…くそ、そういうことか。
俺はやはり騙されていた。
最初からこいつらは歌うつもりじゃねぇんだよ。
女子と合コンしたいからだろ。
…俺に残された選択肢は一つ。



「俺、帰る」



俺は竜貴に耳打ちした。
こんなとこいたくねぇ。
だったら家で寝てた方が断然マシだ。



「おいおい!ちょっと待てよ!せっかく来たんだからよ!」

「俺を騙しただろーが」

「俺はちゃんとカラオケに行くって言っただろ?」

「そうじゃねぇよ!こんなのただのカラオケじゃねぇだろ」

「女子がいた方が盛り上がるだろ?」

「帰って寝る」



俺は帰ろうとすると、男子たちに腕を掴まれた。
…身動きが取れない。



「頼むよ…!お前を連れてくる条件があるんだよ…」

「なんだよ、それ」

「お前は何もしなくていいからよ!」

「頼む…!一生のお願いだ!」



…何なんだよ。
俺には全く理解できない。