「おい、竜貴!遅ぇよ!」

「悪ぃ、悪ぃ!こいつのノリが悪くてさ」

「俺のせいかよ」

「早く行こうぜ!」



待っていた3人の男子は前を歩き出した。
…行くって何処に行くんだよ。



「…おい、行き先聞いてない」

「あぁ、カラオケだよ!」

「カラオケ!?それなら断る」

「ちょっと待てって!お前は別に歌わなくてもいいからさ!いるだけでいいから!」

「それなら俺じゃなくてもいいんじゃねーの?」

「いいだろ別に!頼むよ、柊!」



竜貴は顔の前で手を合わせた。
こいつが頼みごとするなんて珍しいな。
…まぁ、いいか。



「歌わないからな」

「マジ!?ありがとよ、柊!」



なんでそんなに嬉しそうなんだよ。
…何か意味でもあるのか?
俺は少し嫌な予感がしていた。
でも、そのままカラオケへ。