「はい、席につけー。転校生を紹介する。ほら、入っていいぞ」



先生がめんどくさそうにそう言った


重い足取りで教室へ入る



「は、初めまして。今日からこの学校に通うことになりました。谷口心愛です。よろしくおねがいします」


下を向いて小さな声でそう言った。


あーぁ、やっちゃった。


第一印象最悪だ。


そう思った。なのに








「「おぉぉぉお!!!!!」」


パチパチパチパチパチ


なぜか歓声と拍手



訳がわからない。


なんなんだこいつらは。



「初めまして!可愛いねー!前の学校ではなんて呼ばれてたの!?」



「やばいミニサイズ天使!身長何センチ?」



「ねぇねぇ彼氏は!?俺なんてどう!?」


「俺みたいなタイプってどう!?」




男女関係なくクラス中が私の周りに群がってくる


「ほら、谷口が困ってるだろ。あんまり囲むな。じゃあ授業までには席につけよ」


「「はーーーーーい!」」




先生は呆れながら教室を出ていった



「あ、あの」


「ん?なになに?」


みんな凄く優しいでも...





うっざ。なんなのこいつら。本当邪魔




いちいちつっかかってくんなよ。



「ありがと。でも大丈夫だよ」



私は本性を隠せばこいつらを上手く利用できる。そう考えた。


「うん!困った事があったらいつでも言ってね!」



そう言うとみんなはいつもの友達って感じでいくつかのグループに別れてお喋りタイム




「はぁ、よーやく1人」


渡り廊下でそう呟いた


すると後ろから



「お前、なんなの?」



見知らぬ背の高い男子が機嫌悪そうに話しかけてきた


「え、なんなのとは...?」


ものすごく整った顔で全てを悟ったかのような目をして私を見ていた