「あははははっ!!それやばい!」


「でしょー?あははははー!」


「なーんかさー、笑いまくったら喉乾いちゃったぁー。あ、心愛ジュース買ってきてよ」


ちっ、いつもこれだよ。


「あ、うん!待っててね亜美ちゃん」


「うちだけじゃなくて真由のもねー!」


「わかってるよwじゃあ行ってくるね」

「ありがとー心愛だいすき!」



「...ありえない」

私は部屋から駆け出して近くのコンビニの前に座り込んでそう呟いた。




私は谷口心愛(たにぐち ここあ)
近くの高校に通う2年生


久しぶりにあった、中学の頃のイツメンと再開。


少し話そうと言われて亜美の家によっていた。


クラスのリーダー的存在だった彼女



今でも人を平気でこうやってパシるんだ


こんな奴と縁を切れたと思ったのに。


なんでまた....









中学の頃...


「じゃあ行ってくるから」


「お母さん、なんで私はついて行っちゃダメなの?」


「ごめんなさいね。久しぶりにお父さんとデートしたくなったの!」

ワクワクしながら、
それも少し顔を赤くして話すお母さんが可愛くて


「わかった。楽しんでおいで」


私は笑顔でそう言った


「ありがとここちゃん!行ってきまぁ~す」


お母さんは小柄で華奢だから
花柄のフリフリワンピースを着ていても、なんだか似合ってしまう


綺麗な茶髪のサラサラロングを風になびかせてニッコリ笑うお母さんはまるで天使が笑いかけてくれているようだった












でも、あんな事になるとわかっていたなら



どんなにワガママだと叱られても


お母さん達を困らせてでも


行かないで!と叫んだだろう。














その日の帰りの飛行機が転落した。