HR中、先生の顔を一度も見れなかった。


先生と目が合うのが怖くて…、逸らされるのはもっと怖かった。


でも先生は僕を注意しなかった。


いつもなら…「話す人の目を見て聞きなさい!」って、注意するのに…。


昼食の時間、いつものように藤田達と屋上へ。


でも食欲がわかなかった。


ずっと先生のことを考えてた。


「一瀬聞いてるか…?」


「…え?あっ何だっけ?」

「ボーッとしてんなぁ!進路のことだよ!もうそろそろ決めてかなきゃヤバイだろ?将来どうしようかって…」


将来…か。考えたことなかった。


「一瀬って、夢ある?」


安西の質問。


今度は聞こえてる。でも答えれなかった。


僕の夢って…何かな?