私は顎ヒゲを立派にたくわえた大柄なオッサンかと思っていたのだが
私の目の前に立っていたのは腰がぐにゃりと曲がった老婆だったのだ、、、


その老婆は緑色をしたマントを被って杖をついており、とてもさっきの声の主とは思えなかった

『こ、こんにちは』

だが次の瞬間それは確定した

「こんにちは」

ニコリと笑い、笑いジワができる顔とは対照的にさっきと同じ、背筋が凍るような声がその老婆の口から発せられた。
確定だ

『あ、あなたは?
ここはどこなのですか?』

「私はザン・マリーンズ
ザンって呼んでちょうだい?
ここについては後から説明するわよ
さぁついて来なさい。
後はあなただけよ。」

そう言うとくるりと体の向きを変えて歩き出した

『え、えと、なにがですかっ?』









「解放よ」