「おい」
少し遠くから聞こえた聞きなれた声。
特にあたしの名前を呼ばれた訳ではないけど、あたしの事だと確信した。
だからあたしはその声の聞こえた方へと迷いなく振り返る。
「なに?」
誰の声かわかってた。
「今日飯食いに来いってよ」
振り向いたらやっぱり予想してた人で、いつものようにぶっきらぼうに言葉を吐く。
「え!いくいくいく!!」
そう答えると、分かったとかも何も言わずに踵を返して行ってしまった。
その後ろ姿を見ると何だか寂しいような、懐かしいような気持ちになる。
「あんたたち本当仲良いわよね」