「先生、やめて下さい!」
1人の男子生徒が小野寺の身体を掴み、黒板から遠ざける。
だが小野寺は、額から血を流しながらも抵抗する。
「うあああ、はなせはなせキサマー! わましのちゅきなんてキモいきめい! ウワアアアアア!!」
華奢(きゃしゃ)な見た目からは想像できない馬鹿力 で、小野寺を拘束していた男子生徒が振りほどかれ、教壇へ強かに身体を打ち付けてしまう。
「きもいよおお、よんなカス、ブォケ、シネシネシネシネ、クロスぞぉ!!」
グチュッ
大きく見開かれた眼球に、小野寺は自らの指を食い込ませた。
生々しく気持ち悪い音と共に、小野寺の目から血液が幾つもの線に別れて顔を伝い落ちる。
「うわああああ! 先生が狂ったあぁーっ!」
猟奇的な光景を目の当たりにした生徒達が悲鳴をあげながら、我先にと教室から逃げ出していく。
「あ、ひゃひやひゃひゃ!」
大量の血液で、顔を赤く染めながらも小野寺は笑い、長い爪で目玉を抉(えぐ)っていく。