「えへ、えへへへ。でるぞでるぞ。あめこのこ、おいひい」

グニャグニャと動く小野寺の目は、完全に“イッて”いた。


「……先生、何かおかしいよ……」

「ひょっとして何か薬でも……」


明らかに普通ではない様子の教師に、生徒達も不気味がる。


「せ、先生……だいじょう、ぶ……?」

恐る恐る声をかける玲二だが、小野寺は聞こえていないのか、ヘラヘラと笑ったまま何も答えない。


「あ、きれなしゅかーと。あんただれ、だれ」

小野寺は黒板に手をつけた、すると――





ガンッ ガツッ





黒板へ自分の頭を叩きつけ始めた。



「キャアアアアアアアッ!!」


突然の自虐行為に悲鳴をあげる生徒達。


「きもい、きもいんだよ、こっちくんなボケがああっ!」

叫びながら頭を叩きつけ続ける小野寺。