太陽の光を吸い込んだかのようにキラキラと輝く、柔らかそうな金色の髪。

中性的な美しい顔立ちに、切れ長なアメジスト色の目、形の良い唇。

長身かつスラリとした体格。


その姿は、写真に写っていた地味で太めの男とは180度異なる、爽やかでスマートな好青年であった。



「お帰り兄ちゃん」

「ああ、ただいま。ふう、良かった間に合って」

乱れた髪の毛を優雅な仕種で直し、伸也は恵太郎の向かいの席に座った。


「あ、鈴ちゃん久しぶり。えーっと、そっちの子は……」

「前に話した月影 黒斗だよ」

「そうか、君が黒斗くんか。いつも恵太郎と仲良くしてくれてありがとう。僕は恵太郎の兄、伸也。宜しくね」

「……宜しく」

爽やかに挨拶をする伸也。

それを見た黒斗は堪らず、隣に居る鈴に耳打ちをした。


「おい。あれが竹長の兄貴か? 写真と全く違うじゃないか」

「写真……? ああ、ケイちゃんの部屋のか。だってアレ、昔の写真やもん。あれから伸也さん、死に物狂いでダイエットしてたんや。で、結果は」

「大成功、か……」


チラリと伸也を覗き見て、写真の姿と照らし合わせるが、同一人物とは思えない程の変化っぷりだ。

唯一変わらないのは、装着している古風な眼鏡だけ。

まさに劇的ビフォーアフターである。