トモキはテーブルの上のタバコに手を伸ばして1本抜き取ると、口にくわえて火をつける。

窓を開けて、ぼんやりと空を見上げた。

(いつかオレがもっと大人になって…リュウよりずっとイイ男になったら…リュウよりオレが好きだって、迷わず選んでくれるかなぁ…。)

もう会えない事はわかっているけれど、もしいつかまた会えたなら、その時は笑って話せるくらいに大人になっていられたらいいなと、トモキは思った。

(アユちゃん…ホントに大好きだったよ…。)

流れて行く煙の先には、にじんだ月が見えた。