ただ純粋に人を好きになったリュウトを責める事はできない。

つらい気持ちをわかってくれたリュウトに惹かれたアユミを責める事もできない。

(アユちゃんを迷わせたのは…弱くて頼りないオレだ…。)

やりきれない思いで胸が激しく痛む。


“壊れた恋のカケラ 手のひらに集めても
あなたが戻るわけじゃない”


リュウトの作った歌のフレーズがふとよぎり、トモキは唇を噛みしめた。

(もう戻らないのはわかってるよ…。でも…こんな事なら、最初から素直に紹介してれば良かったな…。)