「で、決めたか?」

「ハイ。」

リュウトは穏やかな顔でうなずいた。

この人について行こう。

自分の欲しいと思うものを、素直に欲しいと言える自分になるために。

いつかは、自分が心から欲しいと願ったものに手を伸ばして、この手に掴めるようになるために。

リュウトは、臆病な自分を隠すために偽っていた今までの自分を捨てて、ヒロについてロンドンへ行こうと決めた。