「とりあえず、歩こうか。」

トモキが手を取ると、アユミはピクリと肩を震わせた。

「……行こう。」

そのまま、トモキはアユミの手をしっかりと握って歩いた。

笑いながら手を繋いで、何度も二人で歩いたこの道を、こうして二人で手を繋いで歩くのも、これで最後かも知れない。

そんな事を考えながら、トモキはアユミの手を握る手に力を込めた。

(これで最後になんか…したくない…。)