「どうするかは…オマエが決めろ。どっちと一緒にいたいか…ちゃんと考えて決めればいい。オレは…待ってるから…。」

彼女はリュウトの言葉を、黙って聞いていた。

「ところでさ…。」

「ん…?」

「オマエ、名前なんて言うんだっけ?子供の頃ずっと酒井って呼んでたから、よく考えたら名前覚えてなかった。」

「私、今は酒井じゃないよ。」

「そうなのか?」