なんとなくこのまま別れるのが惜しいような気がして、リュウトは柄にもない事を考えている自分に気づいた途端、無性に照れ臭くなり、思わず首の後ろを押さえた。

(なんだ…オレらしくもない…。)

「じゃあ、またな。」

「うん。ありがとう、またね。」

リュウトが軽く右手をあげて帰ろうとすると、彼女も微笑みながら小さく手を振った。

数歩進んだところで、リュウトは足を止めて振り返る。

「…今度、飯でも食いに行かないか。」