「わざわざ送ってくれてありがとう。」

「ああ…。」

(もう着いたのか…。思ってたより近かったな…。)

「宮原くんのお母さんの店だって知らずに偶然寄ったんだけど…まさか宮原くんに髪切ってもらえるなんて。」

彼女は嬉しそうに笑って髪に触れた。

「美容師だからな。いつでも切ってやるから、また来いよ。…あっ。」

「どうかしたの?」

「悪い…。スタンプカード、渡すの忘れてた。作って店に置いとくから、近くまで来るついでがあったら寄ってくれよ。」

「うん、そうする。」