「そうだったかな…。中1の秋から中3の春にかけて177くらいまで一気に伸びて、その後も18くらいまでジワジワ伸び続けて、気が付けばいつの間にか180。」

「そうなんだね。私は中高6年間女子校だったから、急に男子の背が伸びたりとか、そういうの見られなかった。私もみんなと同じ中学に行きたかったなぁ。」

「そうか…?思春期の男なんて、ろくなもんじゃねーぞ?」


もし同じ中学に通っていたら、荒んでいく自分を見た彼女もきっと、他の友人たちと同じように距離を置いたのだろうとリュウトは思う。

彼女には、自分の荒れていた過去を何も知らないままでいて欲しい。

今まで誰に対してもそんなふうに思った事はなかったのに、リュウトは偶然再会した昔の同級生に対してそう思った事を、不思議に思った。