片付けを終えたリュウトは、彼女を連れて店の外に出た。

「腹減ったな…何食うか…。」

「宮原くん、今日は私が出すよ?」

「いや、それはいい。」

「でも…。」

「前も言ったろ。そん代わり、常連になるくらい店に来いよ。予約して帰ってもいいぞ?」

素直に“会いたい”と言えない代わりに、リュウトは彼女に“店に来い”と言う。

それがリュウトにとって精一杯の、彼女との不確かな約束だった。