セットが終わる頃には、外はすっかり暗くなっていた。

(なんかいつもより時間かかっちまった…。)

いつものように髪を切りながら、なんでもない会話をしていただけなのに、時間が過ぎるのがあっと言う間だったような気がした。

「家、この近くなのか?」

「うん。そこのコンビニの少し先。ここからだと、歩いて15分くらいかな。」

「なんだよ、結構かかんじゃん。この辺、最近物騒なんだよ。遅くなったし、送ってくか。」

「え…そんなの悪いよ。それにお店もあるし忙しいでしょ?」

「いや、ちょうど閉店時間だし。それにほら、コンビニに行くから、そのついでに。」