リュウトは彼女の髪をブロック分けして櫛とハサミを動かす。

「宮原くん、美容師さんになったんだね。」

「ここ、母親がやってる店なんだよ。姉貴も美容師だし。」

「そうなんだね。あの…ところで宮原くん…。」

「ん?何?」

「さっきの…奥さんと娘さん?」

「はあっ?」

リュウトは思いもよらない彼女の問い掛けに驚いて大声をあげた。