その日の夜。

リュウトが部屋でビールを飲みながらぼんやりしていると、ルリカがやって来た。

「一緒にどう?」

ルリカはウイスキーのボトルを差し出した。

「ああ。いいな。」

大きめのグラスにロックアイスを入れ、ウイスキーを注いで乾杯した。

「珍しいじゃん。」

普段、リュウトの部屋に滅多に来る事のないルリカが、ただ一緒に酒を飲むためだけに、わざわざ来たとは思えない。