いつものように夕方になり、リュウトは予約客のカットで手が離せないルリカの代わりに、ハルを迎えに行った。

「とーちゃん、これあげる。」

「ん?」

帰り道を歩いている途中で、立ち止まったハルが鞄の中から何かを取り出し、小さな手でリュウトに差し出した。

「なんだコレ?」

赤い折り紙でできたそれは、よく見るとチューリップのようだった。