(オレがここにいたって、アイツがオレのものになる事なんてねぇのはわかってるけど…。)

ただ、ここにいれば、時々でも彼女に会える。

自分以外の誰かを想う彼女に会えるのは、彼女がここに来るか、よほどの偶然しかない。

(よく考えたらオレ、アイツと何回会った?)

リュウトは思い出しながら指折り数える。

彼女が偶然店に来て再会した日。

カードを取りに来た彼女と居酒屋に行った日。

ショッピングモールで絡まれている彼女と偶然遭遇して、バイクに乗せて食事に行った日。

(えっ…?たったの3回?!)