「怖がんなよ。取って食ったりしねぇから。ただな…オマエ、しんどいだろ?」

リュウトは無言でハサミを動かしながら、ぐるぐると考えを巡らせていた。

「オレな、あのライブハウスのマスターと古い仲間でさ。ちょいちょいライブ観に行ってたんだ。オマエらのバンドのライブも、何回か観てんだよ。」

「そうなんですか…。」

「その度にオマエの事が気になってはいたんだが…オマエ、この間のライブの時、自分で自分がどうにもならなくなって、かなり苦しんでたろ?」

(なんでわかるんだ?!)

「ホラな、図星だ。」