翌日の夜、リュウトは部屋でギターを弾きながら、新曲の歌詞を考えていた。

考えても考えても、頭に浮かぶのは彼女の事ばかり。

自分らしくもない甘い言葉に嫌気がさして、リュウトは頭をグシャグシャと掻き乱す。

(なんだこりゃ…。激甘我慢大会か?!)


“好きだ”

“会いたい”

“抱きしめたい”


自分の頭の中は、そんな言葉で溢れかえっているのだと現実を突き付けられたようで、その甘ったるさに思わず目をそむけたくなる。

(オレ…意外と女々しいのか…?)