「そういうの、オレにはよくわかんねぇよ。」

(贅沢な悩みだな…。好きな女と一緒にいられるんだろ…。それ以上何が必要なんだよ…。)

好きな女の子を、堂々と“彼女”だと言えるトモキを羨ましく思いながら、リュウトは彼女のくれたマスコットを何気なく眺めた。

(アイツ…どうしてるかな…。)

アイスコーヒーを飲みながら、トモキがリュウトの手元のマスコットを見て尋ねる。

「そんなの付けてたっけ?」

「ああ…もらったんだよ。ペットボトルの紅茶のオマケらしいな。」