「宮原くんには、ご馳走になったり、助けてもらったり…いつも何かしてもらうばっかりで申し訳ないな…。」

歩きながら、彼女が呟く。

(それは、オレの事はあくまで“友達”だって牽制してるつもりか?)

「そんな事、気にすんなよ。」

「何かお礼したいけど…宮原くんの事だから、そんなの要らないって、言うんでしょ?」

「わかってんじゃん。」

(ホントは…オマエといられたらそれだけでいい…なんて言えねぇしな…。)

リュウトは小さく苦笑いをして、ポケットからバイクのキーを取り出した。