「ふーん…。で、トモはともかくさ、リュウはあれからどうよ?」

アキラは口元がゆるみそうになるのをこらえながら、リュウトの方を見た。

「何が?」

「気になるって言ってた子とは…。」

「なんもねえよ。お互い住んでる場所は知ってるけど、連絡先も知らねぇからな。」

「そうなのか?」

「付き合ってるわけでもねぇし…用もなく急に訪ねて行くわけにもいかねぇだろ?」

「なんで?会いに行けばいいじゃん。」

事も無げにそう言うアキラを、まるでハルのようだと思いながら、リュウトは首を軽く横に振る。