熱を出したルリカの代わりに、リュウトはハルを保育所に送って行く事になった。

「ママ、風邪ひいたのか?」

「うーんとね、はちどごぶ…?」

「ああ…8度5分な。そんなに熱あんのか。」

「ママのほっぺ、熱かった。」

ハルの小さな手を引いて歩きながら、前から少し気になっていた事をハルに尋ねる。

「ハルはなんで、ママの事“かーちゃん”って呼ばねぇんだ?母親だし名前がルリカだから、“かーちゃん”でちょうどいいじゃん。」

「ママはママだもん。」

「答えになってねぇ…。ハルは自由だな。」

「ちゅー?」

「違うって。」