「友達?」

「そう、友達。」

友達、と念を押しながら、リュウトは彼女と一緒にこの店に来た事を思い出す。

(一緒に酒飲んで…飯食って…どうでもいい話をして…。家まで送って…。)

そして帰り道で転びそうになった彼女の腕を掴んで引き寄せた事を思い出したリュウトは、慌ててジョッキのビールを煽った。

「なぁ、リュウ。なんでも溜め込むの、オマエの悪い癖だぞ。」

「なんの事だ?」

「さっきも言ったじゃん。好きな女でもできたのかって。オレ、リュウのそういうの、なんとなくわかるんだよ。」