「人当たりがいいから誰からも好かれるんだろうけど…。考えてみたら、面識もないヤツに割とグイグイ来るよな。」

「女には奥手だけどな…。」

「それを言ってやるなよ…。それもアイツの良さのうちなんだから…。アイツなりに頑張ってるみたいだし…。」

リュウトはさっきから、なんとなくトモキのフォローばかりをしているような気がする。

「一生懸命さが空回りしなきゃいいけどな。」

「彼女と二人っきりの時とか、かなりテンパってんじゃね?」

アキラがプレートに残った米粒を集めながらふざけて言う。

「一途なヤツが本気になると、まわりが見えなくなっちゃうじゃん。それがちょっと怖い。」

マナブの言葉に、リュウトは軽く眉を寄せた。

(…確かに…。)