「そこまで言うって事は、オマエその子に相当惚れてんだ。」

「うん、まぁ。」

リュウトは苦笑いしながら灰皿の上でタバコの火をもみ消した。

「トモがそこまで言うなら、オレは邪魔しねぇように黙って大人しくしてるわ。」

運ばれてきた料理を口にしながら、トモキがリュウトに尋ねる。

「リュウは彼女いないのか?」

「いねぇな。女には不自由してねぇけど。オマエみたいに誰かを本気で好きになる事もねぇし…女の方もオレになんか本気で惚れねぇし。」

リュウトはサラダのトマトをフォークでつつきながらサラリと答える。