それからなんとなく、ぎこちなさを残して、リュウトは彼女をマンションまで送り届けた。

「またな。」

「うん。ありがとう。」

リュウトはさっさと彼女に背を向け、右手をあげた。


どういうわけか、腕に残る彼女の感触に、鼓動が早くなる。

キスをしたわけでも、抱いたわけでもない。

ただ一緒に食事をして、送り届けただけなのに…。