「危ねっ。」

転ばないようにリュウトが彼女の腕を掴んで引き寄せると、小柄な彼女の体は、リュウトの腕の中にすっぽりと収まった。

(ちっちぇーな…。)

「あ…ごめん…。もう、大丈夫…。」

思いがけず抱きしめるような格好になった事に気付いたリュウトは、平静を装って彼女から手を離した。

「気を付けろよ…。怪我でもしたらどうすんだよ。オレ、責任取れねーぞ?彼氏に恨まれるしな。」

「うん。」