アイツはオレにないものばかりを持っている


どんなに無理をしても

アイツには敵わない…



オレがどんなに望んでも

決して手に入れられないものを

どうしてアイツは

易々と手に入れるのだろう?



オレが初めて自分から手を伸ばして

手に入れたいと思ったものでさえ

アイツはその手でさらっていった



それでもアイツを憎めないのは

なぜなんだろう?



オレにないものを持っているアイツ

アイツにないものを持っているオレ



オレと正反対のアイツを

どこか羨ましく思う

こんな自分が嫌いじゃない



いつの間にか当たり前のように

一緒に笑っていたオレたちは

この先どんな大人になるんだろう



大人になればいつかは

オレは何かひとつでも

アイツに勝てるだろうか



そして大人になったオレたちは

心から笑っているだろうか