「わ、図星かよ。」
そう言うとケンはケラケラと笑い出す。
「やめろって。変な妄想するなっつぅーの!」
「……。」
もはや恥ずかしすぎて何も言えなかった。
ただただ俯くしかなかった。
「ちょ、ももてぃ!へこむなって。んな顔するなって。ごめんごめん、いじめすぎた。」
ケンは俯く私の顔を覗き込み、さっきまでの笑い方とは打って変わって、切なそうに笑って、私の頭をポンポンと撫でた。
何よ、もう……。
「…ありがとうございます!」
お客さんの行動をいち早くキャッチしたケンは、サッとレジへ向かった。
「……。」
何、このしてやられた気分。
ケンがあんな風に笑うの初めて見た。
あんな顔もするんだね、なんであんな切なそうに笑ったの?
「お疲れ会!クリスマスじゃダメ?」
「え?」
いつの間にかレジを終えたケンがそう聞いた。
お疲れ会―――仕事にも慣れたし、せっかくだから今月の月末にでも2人で飲もうと決めていた飲み会。
「どうしても月末時間なくてさ。サッカーの練習と試合で夜埋まってて。」
「そう…なんだ。大変だね。じゃあ…辞める?」
「ヤダ!それはヤダ。」
ケンは首をブンブンと横に振った。