「お疲れ様~」


「うっす、お疲れ。」



午後8時過ぎ、一日が終わった。


明日のシフトは確か鈴音さんと店長だ。


うふふ、楽しみだなぁ。


自然と頬が緩む。


「楽しそうだな。」


「え、そう?」


そう返したもののケンは原付にまたがって「明日も頑張れ~。」と言って、そそくさとエンジンを付けた。


「あ、うん。お疲れ様、気を付けてね。」


「うぃ~。」


私が道を開けると、ケンはそのまま走り去って行った。



「どうしたんだろ。」


さっきまであんなに爆笑してたのに。


まぁ、疲れてるんだろうな。


私は肩をくすめて車に乗り込んだ。




愛車のピンクのタント、親が乗っていた車をそのままもらった。


もう10年目の車、でもまだまだ頑張ってもらわないと。



乗ってすぐスマホをチェックする。



「…あらま。」


親友の森 ちはる-mori chiharu-からメッセージが届いていた。



【翔とケンカした。ごめん飛鳥、夜、会えない?】