「やばっ‼︎ペンケース忘れた‼︎」
教室で叫んだのは私、夏川鈴菜。
「どうした。夏川。」
今は授業中。
「あ、すみません。なんでもないです。」
そう言いながらカバンの中をがさごそ。
てってれーん‼︎‼︎
じゃーん‼︎
シャーーーペン‼︎
授業は結構進んでたから私は急いで書き写した。
「あ...」
消しゴムがない。しょうがないや。
私がシャーペンの頭の消しゴムで消してたら
ポーンとなにかが飛んできた。
隣を見ると岩橋くんがこっちを見ていた。
「それ、使えば。」
そう言ってくれた。
岩橋くん、と言えばとにかく地味なイメージ。
メガネもかけてるし前髪も長め。
とにかく存在がちょっと薄い。
中学も違うし...
関わりが無かったからびっくりした。
「あ、ありがと。」
お礼を言って私はありがたく使わせてもらった。