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からんからん。
カバンについている鈴より高い音の鈴がなる。
「いらっしゃいませー。2名様ですか?」
「はい」
「では、こちらへ」
女性の店員さんに言われるがままに着いていき、窓側の席に腰を下ろした。
目の前に座った先輩は、不機嫌なのかあたしを睨んでいた。
「何で駅前のカフェに入んだよ」
「そりゃはるるんが来るからだよ。ほら、帽子被ってください。はるるんに見つかったらヤバイですから」
美沙ちゃんリサーチによると。
今日はマナミ先輩との約束がある。
はるるんとマナミ先輩は駅前のラブホを使う。
しかし、今日は駅前でゲリラライブが起きるんだ。
そのゲリラライブをする人らは結構有名人だから、すぐに人が集まるだろう。
はるるんらはそのゲリラライブを横切らなければ目的地のラブホに行けない。
しかし、人混み。
はるるんは人混みが嫌いだ。
だから、ゲリラライブが終わるまでこの喫茶店で休憩するはずだ。
ということで、はるるんらの先回りってことでここにいる。
「先輩、何か頼みます?」
「…お前、それが目的か」
ん?先輩とのデート?
「そんなわけないじゃないですか。あくまでもはるるんが本命ですよ」
「…じゃあ、キャラメルラテ」
意外と可愛い趣味…。
「じゃあ、あたしはミルクティーで」
店員を呼び、あたしらはそれらを頼む。
すると、少ししてから飲み物が届いて、あたし達は黙って飲む。
スマホの時計を見ると、16:37と表示されている。
うむ。あと少しだな。
そう思ったと共に爆音が響く。
「、るさ…」
あたしは顔を歪め、爆音の音源を睨む。
もちろんの如く、ゲリラライブだ。