「優季。あたしってバカなのかな」


「学年トップが何言ってやがる」


「うへへー。そーだよねー」


うん、良かった良かった。


あたしは賢いんだよ。


だから、はるるんを助けれる。


算段はある。ちゃんと出来ている。


ただあとは実行すればいいだけの話。


寝室からリビングに繋がるドアから、優季は寝室から出ていく。


あー、と彼は唸ってから、顔をこちらに向けた。

「…さっきの嘘。お前はバカ」


「なんだそれ」


あたしも彼について寝室を出る。


目の前のリビングに広がるのはTHE和食。


さすが優季である。


ビバ優季マジック。


席につくと、あたしと優季は黙ってご飯を食べだした。


「そーいえば夏祭りさー」


「却下だ」
 

「え、何も言ってませんよね!?優季クン!酷いよ優季クン!」


「馬鹿言え。後の言葉くらい予想できる」


鋭すぎだ。エスパーか。


宇宙人か。はるるんと同類なのね。


うん。これで確認した。




「優季の嫁さんは絶対浮気できないね」




その鋭さ、嫁さんは浮気初日で浮気とバレちまうだろうよ。


「どっから、そこに行くんだ。その魚、ちゃんと骨取れてないぞ」


「え、ホントー?優季取ってー」


「自分でしろバカ」


「ぅぅう"…優季のせいで喉に骨が刺さって死んでしまうよ美沙ちゃん天に昇っちまうよ…ぐすっ」


「分かった分かった、やるやる」


「センキュー!」


「その親指折って欲しいのか?」


「…………」


あたしは素早く親指を人差し指にくっつかせた。


危ない危ない。